「パウロの祈り」

牧師 新澤昭彦師

聖書箇所 コロサイ1:9~12 


パウロは、コロサイ教会の信徒が主イエスに対する信仰を持ち続け、聖徒に対する愛を持って歩んでいたので喜び、神に感謝しました。けれどもコロサイ教会は誤った教えとの戦いに直面しているというコロサイ教会の状態をエパフラスから聞き、コロサイ教会のために祈りました。  

誤った教えが教会に忍び込んで来る事は、いつの時代にもある事で、教会が、さらされて来た危険でした。現代は情報化の時代です。様々な媒体から、誤った考え、教えが入ってきます。キリスト教という名目で、おかしな教えに触れる事があります。そして、それらの情報が健全な信仰生活を脅かし、妨げる事があります。パウロはコロサイ教会のために三つの事を祈りました。


 Ⅰ 神の御心に関する真の知識  

「どうか、あなたがたがあらゆる霊的な知恵と理解力によって、神のみこころに関する真の知識に満たされますように。」(9節)  

誤った教えに惑わされないで健全な信仰を保ち続けるために、聖書の教えを理解し、神の御心は何かを考える必要があるのではないでしょうか。  

私達はイエス・キリストを信じる信仰によって救われ、信仰生活のスタートをしました。クリスチャン信仰は、信仰から信仰にとありますようにいつも、キリストを信じる信仰の上に、立っています。けれども、神の御心に関する真の知識は、救われた後、豊かにされ、深められていきます。  

あかちゃんを見ていますと、生まれた時のそのままの状態ではなく、体力もそうですが、知識において成長しています。クリスチャン信仰も同じです。キリストを信じる信仰によって、新生しました。そして信仰が生涯私達を霊的な命に生かしてきます。しかし神を知る知識においては、いつまでも信仰の赤ちゃんではなく、神の御心に関する真の知識に成長し続けていくのです。  

神の御心に関する真の知識に成長するために、聖書を読むことを欠かせません。聖書によって真の神を知り、神の御心を知ることができます。ですから聖書を毎日読みましょう。聖書の全体を、少しずつでも、規則的に読んで下さい。御言葉をいろいろ思いめぐらし、神の御心、約束などを考えながら読みましょう。そして聖書の言葉を心にとめ、御言葉の中に生活しましよう。  

9節には、「霊的な知恵と理解力によって」と記されています。これは、「信仰的な知恵と理解力」です。霊的な理解力をもつ事により、何が善であって、神に喜ばれる事であるかを知り、正しい判断をすることができます。 イエスの母マリアは、霊的知恵のある女性でした。女性は神の御心はなにか、常に思い巡らしていました。私達が生活して、日常起こる事は、信仰とは無関係ではありません。み言葉を思いめぐらし、神の御心を思い巡らしながら、生活をするならば、神の御心に関する真の知識に満たされるでしょう。  

神の御心に関する真の知識に満たされますなら、誤った教えを聞いても、動揺しません。また誤った教えに影響を受けないで、正しい信仰を守る事が出来ます。そして、豊かなクリスチャン生活を送る事が出来るでしょう。 


Ⅱ 実を結び、神を知る知識を増し加えられる  

「また、主にかなった歩みをして、あらゆる点で主に喜ばれ、あらゆる善行のうちに実を結び、神を知る知識を増し加えられますように。」(10節) 

ここで、「実を結びますように」、「神を知る知識を増し加えられますように。」と二つの祈りがささげられています。  

聖書の中で、実とはクリスチャン品性及び品性の現れを意味しています。

ガラテヤ5:22-23に御霊の実として「愛、喜び、平安、寛容、親切、慈愛、誠実、柔和、自制、」と御霊によって結ぶ品性のみが記されています。  

エベソ5:9、「光の結ぶ実は、善意、正義、真実」と記されています。  

クリスチャンは神の恵みによって変えられ、これらの実を結ぶ、そしてキリストの香りを放つ器と変えられていきます。 「神を知る知識を増し加えられますように」と記されている知識は、認識、悟りを意味する言葉です。神を認知することであり、知的な理解だけでなく、交わり、あるいは触れることによって知ることです。  

神というお方は霊的な方です。ですから、私たちの目に見ることも触れることもできません。

しかし聖書によって、神の御心を知り、主にかなった歩みをするならば、私たちは心の中に神との交わりを保ち、交わりによって神を知ることができます。神を知るなら、神がいかに恵み深く、どんなに私たちを愛しているか知るでしょう。真の神を知ることは、私たちを慰め、励まし、勇気づけ、揺るがない信仰者としていきます。


 Ⅲ 父なる神に、喜びをもって感謝をささげることができますように。  

父なる神は、「光の中にある、聖徒の相続分にあずかる資格を私たちに与えてくださった」方です。主イエスを信じている私達は、信仰により、永遠の命をいただき、救いを完成して、神の国に至る資格が与えられています。  

信仰者のゴールは、神の国です。そこで聖徒の相続分にあずかります。その素晴らしさは言葉で表現する事が出来ません。  

神の国の都は、神の栄光が満ちています。たとえ王でも、国家の最高責任者でも、そこに入る資格はありません。門を閉ざされるでしょう。けれども主イエスを信じる人々は神の子になりました。子として神の国を相続し、神の都に住む資格が与えられています。それがどんなに素晴らしい事かわからせていただき、喜びをもって父なる神に感謝をささげる者となるように、それは昔のコロサイ教会の信徒のためだけでなく、私達のための祈りです。  

1:9-12は、コロサイ教会のためのパウロの祈りですが、この祈りを私のための祈りとして受け止め、私達も、神の御心に関する真の知識に満たされますように、そして実を結ぶように、聖徒の相続分にあずかる資格を私達に与えてくださった父なる神に、喜びをもって感謝をささげるクリスチャンとなりますように、祈り、求めましょう。

【公式】西調布キリスト教会

この教会は、メソジスト系の聖書信仰に基づくプロテスタントの教会です。 聖書から、神の愛のメッセージが語られています。 東京都調布市上石原2-26-13( 京王線西調布駅より徒歩3分) ☎042-485-1351

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