牧師 新澤昭彦師
聖書箇所 コロサイ人への手紙2:1-7
コロサイ教会は、エパフラスが福音を伝えて生まれた教会でした。パウロはまだコロサイ教会を訪れた事はありませんでした。エパフラスからコロサイ教会の報告を聞き、コロサイ教会お信徒を愛し、祈っていました。彼等は福音を聞いてキリストを信じた人々です。救われ、キリストのからだである教会の一員となり、信仰生活に励んでいました。しかし教会の中に様々な教えが入ってきて、健全な信仰が脅かされるという事態が生じていました。
教会は今も誤った教えが持ち込まれる事があります。他人の意見は尊重しなければなりませんが、誤った教えは、キリストを信じる人々の霊的な命を奪いますので、受け入れることが出来ません。断固として、教会を誤った教えから守っていかなければなりません。パウロはキリストを信じた聖徒が、健全な信仰を保ち続けるように、奮闘していました。
どんな教えが忍び込んできたのでしょうか。8節に「むなしい、だましごとの哲学」、コロサイの教会に最も脅威となったのは、グノーシスの教えでした。13節に「割礼」、16節に「祭りや新月や安息日のこと」とありますが、ユダヤ主義の教えと思われます。16節に「食べ物と飲み物について」とありますが、禁欲にかかわるものです。18節に「御使い礼拝」と記されてきます。これは異教的な教えと思われます。
それらの誤った教えは、健全な信仰、永遠の命の道から、信徒を引き離すものでした。そのよう教えがコロサイ教会に入り込んできて、健全な信仰生活をするために、2節で、パウロは、心に励ましを受け、愛によって結び合わされ、理解をもって豊かな全き確信に達し、このように信仰生活を送り、神の奥義であるキリストを真に知るように勧めました。
Ⅰ 奥義であるキリスト
神は人を愛して、祝福しようとしています。そしてその神の祝福はキリストによって成就します。「キリストのうちに、知恵と力との宝がすべて隠されています。」(2:2)さらに、2:9には、「キリストの内とにこそ、神の満ち満ちた御性質がかたちをとって宿っています、」と書いてあります。
イエス様は独り子としての神でした。そのお方が、天から下られ、人のかたちを持って生まれ、私たちと同じような人間として歩まれました。
私達は神を見る事が出来ません。又神を知る事が出来ません。しかし神の御子イエス様が人となってこの世界にきて下さり、神を現わし、神の国を教えて下さいました。イエス様は30歳から救い主として活動され、福音を伝え、神の国を教え、多くの奇跡を行われました。イエス様の中には神の性質が宿っていて、言葉、業、生活によって、神がどのような方かを表して下さいました。イエス様は、祭司や律法学者等の妬みから、十字架に着けられました。けれどもイエス様を十字架に着ける事は、神のみ心でした。主イエスは十字架の上で死に、そしてその亡骸はアリマタヤのヨセフの墓に葬られました。けれどもイエス様は三日目に復活されました。
キリストこそ、神の奥義です。キリストを信じる信仰によって私達は救われます。復活されたキリストは、私たちのうちに住んでくださいます。この奥義は[あなた方の中におられるキリスト]です。キリストのうちに、知恵と知識の宝が全て隠されています(3節)。キリストの内に、神の満ち満ちた御性質が宿っています(9節)。イエス様は私達の内に住んでくださり、力を与えてくださり、知恵を与えてくださいます。イエス様は私達の内にいてくださり、イエス様の愛、謙遜、親切の姿に私達を変えて下さるのです。 キリストが内に生きていらっしゃるならば、私達は生き生きと生活できます。消えることがない喜びと平安と確信を持って生きることが出来ます。
Ⅱ キリストによる生き方
福音を聞いて、キリストを受け入れたという事は大きなことです。さらに神の奥義であるキリストが私の内に生きていて下さると知る事はどんなに大きな恵みでしょうか。6節には、あなたがたはこのように、主キリスト・イエスを受け入れたのですから、彼にあって歩みなさい。と勧められています。 歩むということは生き方の問題、生活をするということです。いつもキリストに信頼し、そして、主イエスの前に生活をし続けていく事です。
①キリストの中に根ざし これは植物にたとえるならば、しっかり、深く根を張ることです。草木は美しい花を咲かせ、実を結ぶために、地中に深く根を張ります。キリストは私達の主です。キリストを信じた私たちは、信仰の根をしっかり張り、主に深く信頼をいたしましょう。
②キリストの上に建てられ キリストにあって歩むということは、建物にたとえるならば、しっかりと基礎を置くことです。信仰生活の基礎はキリストです。その上に、信仰の建物が建てられます。信仰は私達の生活にも関係しています。信仰を中心として、家庭があります。職場があります。学校があります。地域での交流があります。基礎は人の目に隠れています。しかし、キリストの土台に生活をするなら、生活に現れてきます。それは素晴らしいことです。
③教えられたとおり信仰を堅くし コロサイ教会に誤った教えが教会の中に入ってきました。それらの教えを信じる人々は、自分達は真理だといいます。しかし実は信仰を惑わすものでした。信仰を堅くするために、誤った教えについて、研究し、知識を持つ事ではなく、教えられてきた正しい信仰にしっかり立ち続けていく事です。
④溢れるばかりに感謝する
神様からいただいた恵み。はどんなに大きなものでしょう。神の奥義であるキリストを真に知るようになりました。さらに神の奥義であるキリストが私達の内に生きて下さるのです。この恵みは、はかり知る事が出来ません。世の人々に隠されていた奥義、それを私たちに神は知らせて下さいました。その祝福の中に私達は歩んでいるのです。あふれるばかりに感謝しましょう。感謝をする人はますます信仰が豊かになり、更にあふれるばかりに神から恵みをいただきます。感謝をする人となりましょう。
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