「人生の選択」

牧師 新澤昭彦師

聖書箇所 創世記13:3-18

 Ⅰ 人生と危機  

アブラムとロトの家畜は増え、彼らが住んでいた地は、二組の家畜・財産を支えていくためには十分ではありませんでした。アブラムの牧者達と、ロトの牧者達の間で争いが起こりました。周囲には、カナン人、ペリジ人などの他民族が住んでいました。身内同士が争っていたなら、他の民族にあかしになりません。そこでアブハムはロトと別れて生活をする決心をしました。  

アブハムはロトに自分の決心を打ち明けました。(13:8)「私とあなたの間、また私の牧者たちとあなたの牧者たちの間に、争いがないようにしよう。私たちは親類同士なのだから。全地はあなたの前にあるではないか。私から別れて行ってくれないか」。ここにアブラムとロトの間に、危機が訪れました。危機とは、右に行くか、左に行くか、選択が迫られる、どちらの道を選ぶか岐路にたつ経験を指しています。危機に立った時の決断が、その後の人生を大きく左右します。アブハムはロトと別れてどこに住むか、まさに選択の危機に直面しました。それが13章の出来事でした。アブラハムはその選択をまずロトに委ねました。ロトもまた人生の危機に直面しました。  

私達の人生で、何度もこの危機を迎えます。どの道を進むのか、決断をしなければなりません。

そしてその選択によって、その後の人生が変わります。  

自動車試験場に行きますと、廊下や階段に、赤、青などの線がペイントされています。その線に沿って進みますと、自動的に、更新などの手続きが終了します。私達の人生にもそのように自分の進む道に色でペイントされた線が塗ってあって、その線をたどっていけばよいなら、悩むことはありません。しかし人生には、危機と言われる、右に進むのか、左に進むのか、自分で決断をしなければならないという岐路に立つことがしばしばあります。


 Ⅱ 選択の基準  

アブハムが危機に直面した時、何を基準として選択したのでしょうか。 

① 信仰の原点に帰った。  

アブハムは神に従い、ベテルとアイの間まで来て、天幕を張り、神を礼拝しました。彼はそこから、ネゲブに行き、そこで飢饉に会ったので、エジプトに下りました。13章では、エジプトから、ネゲプへ、そしてベテルとアイの間に上りました。彼は失敗したエジプトから、ネゲブ、ベテルへと来た道を引き返し、最初に祭壇を築いて神を礼拝した場所に戻りました。彼は神の声を聞き、信仰によって、神に従った。信仰の原点に帰りました。  

私たちにとって信仰の原点はどこでしょうか。それはイエス様の十字架のもとにあります。イエス様は全ての人の罪の贖いとして十字架にかかって下さいました。イエス様の十字架の苦しみは私のためでした。十字架のみもとで、罪を悔改め、十字架にかかった主イエスを救い主として心の中に迎え入れました。その時に神は赦して下さり、神の子として下さいました。恵みによって、新しくされ、そしてこれからは神に従っていこう。私のために死んで下さった主を愛し、主に従っていこうと決心しました。そこが信仰の原点です。いつも信仰の原点に立ち続け、そこから離れないようにしましょう。

 ② 霊的な祝福に望みを置く  

ロトが選択したのは,ヨルダンの低地でした。そこは主の園のようであり,エジプトの地のようでした。隅々まで良く潤っていて,そこには立派な町並みが並んでいました。そこに住んだなら,豊かな生活が出来ると、期待できる地でした。ロトはアブラムと別れ、低地の潤っている地、ソドムに移動し、そこに住みました。しかし信仰的に、倫理的に見たならば、ソドムの人々は悪く、主に対してはなはだしい罪人でした。ロトが選択したのは、世的な繁栄でした。ロトは世的な豊かさを求めました。ロトは、豊かな生活を夢にて、ヨルダンの低地を選びました。しかしロトの選択は誤りでした。 

アブラムが選んだのは、霊的な祝福でした。彼に残された地は、荒野かもしれません。しかし世的に繁栄をするよりも、彼は神と共に暮らし、神の喜ばれる生活をする事を願いました。  

人生の岐路に立ち、どの道に進むのか選択しなければなりません。一方の道は神を離れ、世的な繁栄を求める道です。一方は、神を信じ、神と共に生きる道です。あなたはここ岐路に立って、どちらの道を選びますか。イエス様は「まず神の国と神の義を求めなさい。」と言われました。 

③神にゆだねる  アブラハムは「あなたが左に行けばわたしは右に行きます。あなたが右に行けばわたしは左に行きましょう」とロトに選択権を委ねました。しかしこれはアブラムが自分の道を神に委ねた言葉でした。人は自分で考え、計画を立てます。しかしことを成し遂げて下さるのは神です。神は私達一人一人に恵み深い計画をお持ちです。その神の計画に従っていく時に、祝福があります。自分の意見に固執をしていると,神のみ旨が分からなくなりますし、神が与えてくださる祝福を失う事があります。ですから、いつも神に委ねる姿勢を持つ事が大切です。


 Ⅲ 約束の実現  

ロトがアブラムから別れて行った後、神様はアブラムに言われた約束が、14-17節に記されています。そこには、「あなたが見渡しているこの地をすべて、あなたに、そしてあなたの子孫に永久に与える」。また「あなたの子孫を地のちりのように増やす。」と約束されています。  

神は、今のイスラエルの国土を、アブラムと彼の子孫に約束の地として与えて下さいました。またアブラムの子孫を増やして下さいました。彼らはイスラエルの地に、また世界中に散って生活しています。さらに彼等の中から、秀でた能力を持ち、経済、科学、芸術、政治、その他で貢献した人物が多数輩出しています。  

アブラムが選んだ道と私達の歩む道は違います。しかし信仰の原点に立ち、神を第一とし、そして神に全てを委ね、神の御心がなされる事を願うならば、正しい選択をする事が出来るでしょう。

そして、あなたにもっと最善な祝福を受けるでしょう。そのように人生を生きて行きましょう。

【公式】西調布キリスト教会

この教会は、メソジスト系の聖書信仰に基づくプロテスタントの教会です。 聖書から、神の愛のメッセージが語られています。 東京都調布市上石原2-26-13( 京王線西調布駅より徒歩3分) ☎042-485-1351

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