聖書箇所 ヨハネの黙示録20:1-6
牧師 新澤昭彦師
千年王国は旧約聖書に記されている預言者達によって、預言され、患難時代の後、実現する王国です。イエス様の降誕について、旧約の預言者達が預言し、彼らが預言した通りにベツレヘムで、神の御子が降誕されました。千年王国は神の選びの民イスラエルの回復として預言されています。
神はイスラエルの先祖アブラハムを選び、祝福を約束し、地上の全ての民族はあなたによって祝福されると言いました。神がイスラエル民族を選ばれたのは、彼らを通して神を啓示するため、そして人類を祝福するためでした。
アブラハムから約500年後、神はシナイ山で、モーセを通してイスラエル人と契約を結び、神の前に人が守るべき戒めとして律法を与えました。神が戒めを与えて、これを守るように命じ、これを守って、右にも左に離れないならが祝福を受ける約束しました(出19:5.6)。神は戒めを守るなら、「私の宝となる」「祭司の王国とする」「聖なる国民となる」と約束しました。
イスラエル民族は神から素晴らしい約束を頂きました。しかし彼等の歴史は神を信じ、神の御心を心にとめ、神に従った歴史ではなく、彼等は不信仰・偶像礼拝・道徳的罪を重ねました。その罪のために国は二つに分かれ、ついに滅び、外国に捕囚になってひかれていきました。
BC586バビロンがエルサレムを包囲し、エルサレムは陥落しました。預言者エレミヤはエルサレムでその時の悲惨な光景を目にしました。彼はその光景を見て涙を流し、私の目はつぶれると言いました。イスラエル民族が滅ぼされた理由は、真の神様から離れ、背信と、汚れのためでした。
イスラエルの民が、神に対する背信と罪のために滅びに向かっている時、預言者達は、民の罪を責め、悔い改めを迫りました。そして神の背く民に滅びを宣告しなければなりませんでした。しかし預言者達が伝えたメッセージは神の救い、回復、希望のメッセージでした。
預言者達は、神が救い主を遣わして下さる、そして、キリストは罪を贖い、信じる者は救われるという回復のメッセージでした。神は約束の通りに神の御子イエス様を救い主として遣わされました。しかしイスラエルの民は、キリストを信じなかったばかりか、キリストを十字架につけてしまいました。イスラエルの群衆はキリストを「十字架につけろ」と叫び、「その人の血は、私達と子ども達の上にかかってよい」とまで言いました。この後のイスラエル民族の歴史は、悲惨なものでした。AD70年にエルサレムは破壊され、民は世界にチリジリになり、国を失いました。第二次世界大戦では、ナチドイツから、激しい迫害を受け、大量のユダヤ人が虐殺されました。
けれども、神は神の選びの民を見捨てにはなりません。イスラエル人は、自分達が十字架につけたイエス・キリストが、待ち望んでいたメシヤ、救い主である事を知ります。ゼカリヤ12:10に、「 わたしは、ダビデの家とエルサレムの住民の上に、恵みと嘆願の霊を注ぐ。彼らは、自分たちが突き刺した者、わたしを仰ぎ見て、ひとり子を失って嘆くかのように、その者のために嘆き、長子を失って激しく泣くかのように、その者のために激しく泣く。」と預言しました。彼等は自分達が十字架につけたイエス・キリストが、救い主であった事に気が付きます。そして悔いて激しく泣きます。ユダヤ人の間で、悔い改めと、キリストを信じるという事が起こります。長い間イスラエル人はイエス様を信じませんでした。しかし患難時代に、イスラエルにリバイバルが起き、多くのイスラエル人がキリストを信じます。彼そして献身的な服従をするクリスチャンになります。彼等の中から、144,000人の主の証人が出て、世界中に福音を伝えて主に仕えるでしょう。しかし患難時代には、獣・反キリストが、サタンから権威を受けて、活動しますので、クリスチャン達は、苦しめられます。彼等は獣のしるしを受けていませんので、物の売り買いが出来ない、そればかりか、迫害を受けて多くのクリスチャンが殉教します。しかし、患難時代の最後にハルマゲドンの戦いがあって、獣の軍隊は滅ぼされ、キリストが王となって、世界を治めます。
キリストは王となって、千年間、世界を治めます。この時、獣は、火と硫黄のもえる池に落とされて、そこから出る事が出来ません。そして、サタンは底知れぬところに投げ込まれ、封印されてそこから出る事ができません。
「多くの座」(4節)とはキリストと共に世界を治める王座の事です。その座につく者は「イエスの証しと神のことばのゆえに首をはねられた人々のたましい」「彼らは獣もその像も拝まず、額にも手にも獣の刻印を受けていなかった」(4 節)と記されていますが、患難時代に殉教した聖徒達です。彼等は復活します。そして、キリストと共に千年の間、王として世界を治めます。
その時代は柔和、謙遜な方、私達のために十字架にかかり命を捨てた愛の方、イエス様が王として世界を治めますのでどんなに幸いでしょう。
その時代は、獣は地獄に落とされ、サタンは底なしの所に閉じ込められ、出る事が出来ませんので、悲しみ、嘆き、苦しみはありません。今の時代はサタンが働いていますから、病、貧困に苦しむ事があります。対人関係で悩む事があります。地震、津波、台風等の被害もあります。様々な不幸な出来事がおりますが、千年王国の時代には、イエス様が王となって治め、サタンの働きはありませんので、平和で喜びがあふれ、祝福された時代になります。
イザヤ、イスラエルの回復(イザヤ65:19-25)を預言しました。ここに記されている祝福は、千年王国で起こる事です。やがて、神がイスラエルを回復され、キリストが王となって、世界を治め、世界に平和がくる事が預言されています。預言者達が伝えた救い主の預言は、イエス様の降誕、十字架によって成就をしました。そして旧約のイスラエルの回復は、患難時代に続く千年王国で成就します。
千年王国の後、新しい天、新しい地、聖なる都が天から降ってきます。そして神の国は実現します。そこに入る事は、救いの完成で、神の国こそ、キリストの功しによって、救われた私達の希望です。神の国が実現し、そこに住むのは千年王国の後かもしれません。しかし天に挙げられている聖徒にとっては、千年は一日の如くです。神の約束は実現します。私達が神の国に入る日は間近です。キリストを信じ続け、その信仰に励んでいきましょう。
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